日本郵政の社長人事を巡って鳩山総務大臣が辞任した。ここまでの粘り腰は意外だっただけに、逆に最後はあっけなかったとの思いがする。
ところでこれは最低でも次のことを意味しているだろう。
・政府100%株主の企業であっても、政府与党は日本郵政を”民間企業”と主張している。
・この会社の社長の席は、所管官庁の大臣よりも大事であると政府与党は考えている。
・この会社は、その制度利用を巡って逮捕者を多数出している企業でもあるのに、社長はその責任を問われるべきでない特殊な企業だと政府与党は考えている。(障害者割引制度悪用事件)
・日本郵政による資産毀損行為は構わないと考えている。(かんぽの宿売却問題他)
だいたい今回の件を「日本郵政社長人事を巡る混乱」と表現すること自体が、本質の矮小化なのである。
国民の財産10兆円300兆円超と24万人の従業員を抱える企業を巡る政府のガバナンスが問われているのである。
日本郵政について(wikipediaより引用)
資本金 3兆5,000億円
売上高 1,329億400万円(単体)
10兆979億6,800万円(連結)
総資産 9兆7,055億9,200万円(単体)
327兆5,882億9,000万円(連結)
従業員数 3,374名(2008年3月31日現在)
約240,100人(連結)
かつて小泉総理総裁(当時)は財政投融資を含む日本の予算を改革するために郵政を民営化すると説明したはずだが、いつの間にか郵政民営化そのものが自己目的化しているとしか言いようがない。
そしてそれをごり押ししているのが、小泉以降総選挙を経ていない現与党なのである。
(2009年6月12日14時08分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090612-OYT1T00593.htm?from=top&from=yoltop
鳩山総務相が辞表提出、「潔く去るのがいいと判断」
麻生首相に辞表を提出後、記者の質問に答える鳩山総務相(12日午後2時4分、首相官邸で)=田中成浩撮影 麻生首相は12日午前、首相官邸で鳩山総務相と約40分間会談し、日本郵政の社長人事について協議した。
首相は西川善文社長を条件付きで続投させる考えを伝えた。鳩山氏はこれを受け入れず、同日午後に改めて首相と会談し、総務相の辞表を提出した。
この問題をめぐっては、政府・与党内で次期衆院選への影響を懸念し、早期の事態収拾を求める声が強まっていた。麻生内閣の閣僚辞任は、中山成彬・前国土交通相、中川昭一・前財務・金融相に続き、3人目。衆院解散・総選挙に踏み切る時期を探る首相にとって、自らの盟友で重要閣僚の総務相辞任という事態が、大きな打撃となるのは必至だ。
与党関係者によると、鳩山氏との会談で、首相は西川氏を続投させることを認めるよう促した。しかし、鳩山氏は「考えを変えるつもりはない」と拒否した。辞表提出後には記者団に、「仲間と相談して潔く去るのがいいのではと判断した。いずれ歴史が私の正しさを証明してくれるだろう」と語った。
首相との会談に先立ち、鳩山氏は閣議後の記者会見で、「首相周辺、自民党の方が動かれているようだ。西川さんが私に謝ることで続投を認めたらどうかという話をいくつか聞いた」と明かした。ただ、「西川さんが謝るべきは国民だ」と指摘し、条件付きであっても続投は認めない考えを強調した。
一方で、「内閣の方針として西川さん続投なら、タイミングによって罷免や辞任は十二分にあり得る」と述べた。「こんなことで信念を曲げたら男ではない。首相は分かってくださると信じている」とも語った。
自民党の細田幹事長は党役員連絡会後の記者会見で、「できれば12日中に何とかしてほしい。早急に政府側で意思を決めてほしい」と強調。公明党の太田代表も記者会見で、「私の感じでは、調整はかなり進んでいるのではないかと思う。できるだけ、早く結論が出ることを強く望む」と述べ、調整が最終段階に来ているとの見方を示していた。
日本郵政の社長人事をめぐっては、指名委員会が5月18日に西川氏再任を内定し、6月29日の株主総会で、唯一の株主である政府の代表者が出席して人事を決定する運びとなっている。法律上、最終的な認可権限を持つ鳩山総務相は、「かんぽの宿」売却問題などでの経営責任などを理由に、西川氏更迭論を繰り返し、首相の対応が注目されていた。
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